RPOCについて

6月に入りそろそろ梅雨を迎えますね。☔☔

今日は『RPOC』についてです。

RPOC???って何?という方が多いかと思います。

RPOCはRetained Products of Conceptionの事で、簡単に言うと妊娠後の子宮内に胎盤などの妊娠産物が残る状態をいいます。

流産や人工妊娠中絶、流産手術後、分娩後に子宮内に胎盤や絨毛などの組織が残ることで、超音波検査を行うと子宮の中に血管像を認める事があります。時には急な出血で診断されるケースもあります。

RPOCのリスク因子としては、高齢妊娠やART妊娠、帝王切開や流産手術の既往などが知られていますが

近年RPOCの診断をされるケースが増えている印象は否めません。

さてRPOCの何が問題になるのでしょうか?

ひとつは’出血’です。その中でも突然の多量出血があった際は輸血や止血処置として子宮動脈塞栓術なども必要となる事もあります。

他には感染を併発すると腹痛や発熱などが起こりえます。

しばらく超音波や血液検査をしながら経過観察していくうちに血流がなくなることも多いのですが、数か月かかる方もいらっしゃいます。その間は次の妊娠にむけて治療ができず時間的デメリットがあります。ホルモン剤内服での治療例も報告されてはきていますが、まだ確立された治療法はありません。

診療していて一番危惧するのが、出血がおこりそうかどうかです。これを見極める超音波所見の指標もあり当院でも参考にしながら、高次医療機関への紹介時期を判断しています。

これから妊娠出産を迎える方に不要な心配をもってほしくはありませんが💦💦、こういう事もあるのだなと頭の片隅に置いといてくださいね。  小柳