第二子に向けて不妊治療をお考えの方へ

みなさんこんにちは。

今回は、以前より、凍結胚更新の手続きで来院される方から、「二人目希望していますが、どのタイミングで受診したほうがいいですか?」「受診したらどのような流れで治療が進んでいきますか?」など二人目(三人目)の治療開始時期について相談されることがありました。
ということで、今回は二人目以降の治療開始についてお話したいと思います。

まずは、治療開始前に必要なことがあります。
➀ 断乳ができている
授乳中は乳汁分泌を促す「プロラクチン」というホルモンが増加しており、同時に「オキシトシン」というホルモンが働き、乳汁が出る仕組みになっています。
この「プロラクチン」が増加していると、卵胞発育や排卵時に必要なホルモンを抑制し、排卵が起こりにくい状態になります。また、排卵後に必要な黄体ホルモンの分泌も低下し、着床しにくい状態になります。「オキシトシン」については、赤ちゃんが吸啜する刺激で分泌され、子宮を収縮させる作用があります。出産後には、子宮復古を早めるために重要なホルモンですが、妊娠中に過剰に分泌されると、子宮が収縮するため妊娠に影響する可能性も考えられます。
また、断乳ができていないと、母乳を介して赤ちゃんに薬剤が移行する可能性があり、薬を使用することができません。

②月経が開始している
産後の月経再開には個人差があります。上述のプロラクチンの影響や、出産後の生活習慣の変化によるホルモンバランスの乱れなどによって月経開始が遅くなることもあります。
また、もともと月経不順がある方は、断乳後すぐに月経が開始しないこともあります。
断乳後、妊娠の可能性がなく、なかなか月経が開始しない場合は、一度治療前にご相談下さい。

③第一子の出産状況と次回妊娠までの期間について
一人目の出産が帝王切開で出産された方は、子宮や創部の回復のために一定期間が必要とされています。次回妊娠までに必要な期間については出産時の主治医に確認しておいて下さい。

上記の事を確認していただき、治療開始の参考にして頂ければと思います。

治療開始時は、基本的には、まずは妊娠に向けての身体状態の確認やホルモン検査などから開始していき、医師と相談しながら治療方針を決めていきます。
受診や検査内容につきましては、 当院卒業後二人目以降希望の方 検査 をご参照ください。

現在当院で凍結胚をお預かりしており、凍結融解胚移植をお考えの方へ

・凍結胚の更新期限日にご注意ください。
治療開始で来院していただくと、まずは検査から進めていきますので、凍結融解胚移植が実施できるまでには少し期間を要する可能性があります。(検査結果によっては2~3ヶ月先になることもあります)更新期限日までに凍結融解胚移植を希望されている方は、余裕を持って早めに受診して頂くことをお勧めします。

・保険適用年齢制限にご注意ください。
体外受精・胚移植の保険適用の範囲内で治療が出来るのは、43歳未満となっております。保険適用内での治療を希望されている方は、上記の条件を満たした状態で、ご自身とパートナーも初診で来院していただき、診療計画を立てる必要があります。

以上になりますが、分からない事があれば、いつでもお気軽にスタッフにご相談くださいね。
不妊治療開始時期についてお悩みの方は、相談窓口として不妊相談外来心理師によるカウンセリングもありますのでご利用ください。

毎日、暑い日が続いておりますが、くれぐれもご自身やご家族の体調に十分注意しながらお過ごしください。