~着床前胚染色体異数性検査 PGT-Aについて~

みなさん、こんにちは!
院長の園田です。

あっという間に11月になり、肌寒く感じる日も増えてきましたね。

日中の寒暖差で体調を崩すこともあるかと思います。
手洗い、うがいをしっかりして、美味しい秋の味覚も楽しみながら、体調管理していきたいものですね。

先日、横浜で生殖医学会が開催され、スタッフと共に参加してきました。

多くの参加者で会場は賑わい、活気ある討論や、久しぶりに会う仲間たちとの会話を楽しんできました。

当クリニックからも、4つの演題を発表してきました。

私は体外受精・顕微授精における卵巣刺激方法で用いる新しい注射薬、ヒト由来リコンビナントFSH製剤の有効性についての検討。

小柳医師は、不妊治療における漢方療法の有効性についての検討。

培養士の小林は、タイムラプスを用いた良好胚の予測についての検討。

看護師の羽渕は、当クリニックのプレチェック外来を機に有効な不妊治療へと繋がり、早期に妊娠できた症例の報告および検討。

みんな、立派に堂々と発表し、聴講者からの質問にも的確に返答する姿を見て、大変誇らしい気持ちになりました。

現地開催での学会に参加し、日々、勉強、進歩が大事だと再確認いたしました。

今回のブログは、

PGT-A(Preimplantation genetic testing for aneuploidy):着床前胚染色体異数性検査

についてです。

今回の生殖医学会でもたくさんのPGTAについての演題、講演がありました。

PGT-Aとは、
体外受精や顕微授精によって得られた受精卵の一部の細胞を採取し、その染色体の数を移植前に解析する着床前診断のひとつです。

正常な受精卵の染色体は両親からそれぞれ染色体が受け継がれ、2本1組、合計46本23組持っています。

染色体異数性とは染色体の数が多かったり、または少なかったりすることで正常な染色体数から過不足が生じている状態をいいます。

この異数性胚はほとんど着床能がない、あるいは初期の流産として自然淘汰されます。

体外受精における治療成績は、年齢に大きく依存していることは広く知られた事実であると思います。高齢になるほど妊娠率は低下し、流産率は上昇します。その理由の一つに受精卵の染色体異数性があるということがわかっています。

PGT-Aでは異数性胚を避けて胚移植を行い、その成績を向上させる技術なのです。

現在、PGT-Aは保険適用となっていないため、完全に自費で行われる治療となっていますが、医学的に大変意義のある検査および治療であるといえます。
また、適用となる方の条件があります。

PGT-Aに関して詳しくお知りになりたい方は、診察時に申し出てください。

また、日本産科婦人科学会のHPより、その内容を見ることもできますので、参考にされてください。

院長 園田桃代