高度精子機能検査について

こんにちは、培養室です。5月も半ばとなり、私の実家では稲の種まきが行われました。今週末は突然の夏日になるようなので、外出される際は服装や水分補給にお気を付けください。
今回は精子の質を調べる、高度精子機能検査についてお話したいと思います。

不妊治療を進めていく中で、男性側の検査として最初に行われるのが「精液検査」で、一般的な精液検査では精液量、精子濃度、運動率を調べています。しかし、こちらの検査では、精子の質まで調べることはできません。そこで高度精子機能検査として、精子DNA損傷検査と抗酸化力検査を行うことで、男性不妊の原因特定や治療方針を立てる指標として役立ちます。
精子DNA損傷検査は、DNAが損傷している精子の割合や未熟な精子の割合を測定します。精子のDNAの損傷の割合が多いと自然妊娠や人工授精による妊娠の可能性が低くなることや、流産率が高くなることが報告されており、一般不妊治療よりも体外受精、体外受精の中でも顕微授精の方がより良い結果が得られることも報告されているため、治療方針の更なる検討材料となります。
抗酸化力検査は酸化ストレスへの抵抗力を測定します。酸化ストレスは精子DNA損傷の因子といわれており、酸化ストレスによるダメージを抑えるために抗酸化力は必要です。酸化ストレスを高める原因には喫煙、過度な飲酒、睡眠不足、慢性的なストレス、抗酸化物質の不足、肥満などの生活習慣関連要因や、高温での入浴・長時間のサウナによる精巣への熱ダメージ、きつめの下着や長時間の着座による精巣周囲の温度上昇などの環境的因子などが知られています。抗酸化力が低い場合、生活習慣の見直しや抗酸化サプリメントの摂取で改善されるとの報告があります。

このような高度精子機能検査は以下のような方にお勧めしております。
・流産歴がある
・原因不明のまま6ヶ月以上不妊治療を行っている
・精索静脈瘤の治療を検討している
・40歳以上
・喫煙している
・生殖器の感染症に既往がある

こちらは精液検査と同時に実施する検査になります。
実際の詳しい検査の流れや費用に関しては来院時にご相談ください。