みなさんこんにちは
培養室です。
今回は受精の方法と受精率に関してお話しようと思います。
受精の方法は大きく分けて一般体外受精と顕微授精があります。顕微授精はPICSIやPIEZO-ICSI、IMSIなど派生して何種類かありますが、大きな分類としてはいずれも顕微授精(ICSI)です。
一般体外受精と顕微授精の違いとしてはいろいろありますが、そもそものお話をすると歴史の長さが違います。一般体外受精は1978年から実施されており、培養液の入ったシャーレに卵子と精子を入れて自然に近い状況下で受精を期待する方法です。
顕微授精は一般体外受精が行われてから10年後に実際にヒトでの受精が確認されています(妊娠・出産まで至ったのはその4年後)。顕微授精は卵子1個1個に針を刺して精子を入れる方法です。
一般体外受精のメリットとしては、前述のように歴史が顕微授精に比べ長く、自然に近い方法なので安心感があると言えます。費用も顕微授精に比べて安く済みます。
一方で、顕微授精の歴史は一般体外受精に比べると浅いと言えますし、顕微授精には別途技術料がかかります。しかし受精率は一般体外受精に比べて高く、精子が少なくても実施可能な点は大きな利点といえます。
いずれの方法にもそれぞれメリット・デメリットがありますね。
「なぜ顕微授精の方が受精率が高いのか」については様々な意見があると思いますが、やはり卵までたどり着く工程を技術者が手助けできる点が大きいのではないかと思います。精子というのはデリケートなので、一般体外受精では多くの精子が卵子までたどり着けていない可能性があります。一方で顕微授精の場合は実施する際にしっかり動いている精子を選んで卵子に入れることが出来ます。
ではここで当院の受精率についてです。
当院の顕微授精は正常受精率が80%を超えており、客観的に見ても非常に高い水準であると言えます。クリニック全体で成績の向上に努めているので、その結果が表れていると思います。
| 顕微授精実施数 | 正常受精数 | 正常受精率 | |
| 2024年 | 1959 | 1626 | 83.0% |
| 2023年 | 2202 | 1761 | 80.0% |
| 2022年 | 1034 | 861 | 83.3% |
一般体外受精は70%切るくらいです。一般体外受精は受精の流れを卵子と精子に任せることになるので、確率を上げるのがなかなか難しい所ではあります。
| 一般体外受精実施数 | 正常受精数 | 正常受精率 | |
| 2024年 | 279 | 194 | 69.5% |
| 2023年 | 410 | 270 | 65.9% |
| 2022年 | 400 | 263 | 65.8% |
ご注意点としまして。この値は平均値ですので皆さん全員にこの数値が必ず当てはまるとは限りません。また、受精の方法については医師が精液の所見や既往歴を見て判断いたします。受精方法に関してご希望がある場合は、診察時にお申し出ください。

