妊活中の麻疹の予防接種について

最近また麻疹(はしか)についてのニュースを耳にする機会が増えました。麻疹ウイルスは感染力が強く、インフルエンザの約10倍ほどと言われています。

麻疹とは
麻疹ウイルスの感染によっておこる急性の感染症です。
38度前後の発熱、せき、鼻水などの風邪のような症状や目の症状(目やに・充血)や全身に発しんが広がります。口腔内(頬粘膜)にコプリック斑という白いぶつぶつができるのも特徴です。
重症化すると肺炎や脳炎を引き起こすことがあります。

妊娠中に感染すると重症化しやすく、流産や早産を起こす可能性があります。また胎盤から胎児に感染することもあります。

感染経路について
飛沫感染に加えて空気感染するため手洗い、マスクのみで予防はできません。
麻疹に対する治療薬はなく、予防が大切になります。麻疹含有ワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)を接種することによって、95%程度の人が麻疹ウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。

ワクチンについて
現在麻疹は定期接種の対象でありMR(麻疹風疹混合)ワクチンを計2回、1歳(1期)と小学校入学前1年間(2期)に受けるのが原則ですが、2000年4月1日以前に生まれた方は、2回接種が完了していない可能性があるため注意が必要です。
一度母子手帳を確認してみてくださいね。

当院では妊娠中のリスクを減らすために治療開始前に麻疹風疹抗体検査を行なっており、抗体がない又は抗体が低い場合に希望があればMRワクチンを接種することができます。
ちなみに2023年に当院スタッフの麻疹風疹の抗体検査を行ったところ 25人中、16人は抗体が低かったため追加でMRワクチンを接種しました。過去に予防接種を行なっていても、徐々に抗体が下がることもありますので抗体を調べることは大切ですね。

ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがありますが、麻疹は生ワクチンの分類になります。生ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られます。毒性を弱めたウイルスや細菌が体内で増殖して免疫を高めていくので、接種の回数は少なくて済みます。十分な免疫ができるまでに約1ヵ月が必要です。妊娠中にワクチンを接種すると、胎盤を介して病原体が胎児へ移行してしまう可能性がありますので妊娠の可能性がある場合は接種できません。ちなみに男性がワクチンを接種した後は避妊期間は必要ありません。
妊活中の女性がワクチンを希望される場合は、妊娠の可能性がない月経中に接種することができます。

麻疹流行の報道があると、一時的にワクチン接種希望の方が増えるため在庫が少なくなることがあります。ご自身のため、家族のため、未来の我が子のためにもワクチン接種歴の確認や予防接種を検討してみてくださいね。

過去の麻疹についてのブログは以下を参考にしてください。
麻疹・風疹について 
麻疹について