今回は培養室から精子凝集についてお話しさせて頂きます。
精子凝集とは、通常独立して前方へ動くはずの精子同士が、頭部や尾部でくっつき合い動けなくなる現象のことです。

精子凝集が起こると、
・前進しづらい
・精子同士が塊になる
・運動率が低下する
といった問題が起こります。
主な原因としては、抗精子抗体、炎症、外傷、手術等が挙げられます。
その中でも最も多い原因が抗精子抗体です。
本来、精子は体内で免疫から守られていますが、精巣や精管の感染・炎症、外傷、手術歴等がきっかけで免疫が精子を「異物」と認識してしまうことがあります。
その結果、抗体が精子に付着し、精子同士をくっつけてしまいます。
また、精液の粘調度が高い、前立腺炎や精巣上体炎などの炎症による精液中の成分変化、白血球増加なども精子同士が絡まりやすくなる要因となります。
精子凝集は不妊の一因となることがありますが、軽度であれば自然妊娠も可能です。
ただし精子凝集が強い場合は、以下のような影響が考えられるため、体外受精や顕微授精、特に顕微授精が選択されることが多い傾向にあります。
・精子が卵子まで到達しにくい
・運動率の低下
・受精率が下がる可能性
治療方法は抗精子抗体が原因の場合は顕微授精が選択されることが多いですが、感染・炎症が原因の場合は、抗菌薬治療、生活習慣の改善、禁煙などが推奨されます。
当院でも稀に精子凝集が強い方がいらっしゃいますが、個々に慎重に治療方針を決めさせて頂きますので、ご安心下さい。
また何かご不明点等ありましたら、お気軽にご相談下さい。

