風疹・麻疹(はしか)について

こんにちは。今回は最近ニュースになっていた風疹・麻疹についてお話します。

・風疹

風疹とは、風疹ウイルスの飛沫感染によって発症し、発疹・リンパ節腫脹・発熱などの症状がでます。“三日はしか”ともよばれ、なかには症状の全くない場合もあります。妊娠初期に風疹に感染すると、『先天性風疹症候群』を発症するリスクがあります。胎児に感染し、産まれてきた赤ちゃんに白内障や緑内障の眼症状・先天性心疾患・難聴を引き起こすことを先天性風疹症候群といいます。

・麻疹

麻疹(はしか)とは、麻疹ウイルスの飛沫・空気感染によって発症し、潜伏期間は8~12日間程です。感染力が非常に強く、初期の症状としては発熱・咳・鼻水など風邪の様な症状です。ついで、特徴的な症状として、口の頬の内側や歯茎の内側に『コプリック斑』とよばれる白い斑点がみられることがあります。そして一時的に解熱した後、顔や首回りから全身に広がる発疹が出てきます。発疹は3~4日すると徐々に消え、熱も下がっていきます。もし妊娠中に麻疹に感染すると、重症化しやすく肺炎・脳炎などを起こしやすくなります。また流産や早産のリスクも高くなります。

風疹・麻疹どちらも妊活中から感染しないように予防すべき感染症です。当院では、治療前の検査で風疹・麻疹の抗体値を検査し、抗体が低ければワクチン接種を勧めています。女性のワクチン接種後2ヶ月は避妊期間となります。そのため、ワクチン接種の対象となった方から「妊活が2ヶ月遅れるならワクチンを打ちたくない」「風疹も麻疹もあまり流行らないから打たなくてもいいのでは?」とワクチン接種を悩まれる声をよく聞きます。

たしかに、インフルエンザやコロナのようによく耳にする感染症に比べると感染する可能性は低いかもしれません。ですが、3月に国内で麻疹感染者が確認され、大阪府での発症も報告されています。コロナでの行動規制が緩和され、以前に比べ海外渡航が活発になり、海外からの持ち込み事例がでています。風疹・麻疹ともに感染力は非常に強く、もし身近な場所で感染者がでたと聞くと、“自分も感染していないか”ときっと不安になるでしょう。安心して妊活をするためにも、万が一に備えて抗体が低ければワクチン接種をしていただきたいです。

3月後半頃からMRワクチン(風疹麻疹混合ワクチン)の需要が高まり、当院にワクチンが入荷しづらくなっておりワクチン接種の順番待ち予約をして頂いている状況です。大変ご迷惑をおかけし申し訳ありません。ワクチンの入荷次第、順にご連絡致しますので少しお待ちください。

以前にもブログで麻疹についてのお話していましたのでご参照ください。

麻疹についてのブログ