~卵の在庫!!~

みなさん、卵の在庫って、なんのことか分かりますか?

冷蔵庫の中に卵が1~2個しか残っていないから、今日買い足しておこうとか。
今日、1パック買ってきたから、1週間はもつかな~とか。
今日は卵を安く買えたから、ちょっと贅沢に5個使ってオムレツを作ろうかなとか。
冷蔵庫の中の卵の管理は、そのときの状況により買い足したり、だいたいの予測をつけながら使っていったりとか、ある程度の計画を立てていくことができますよね。
では、皆さんの卵巣の中にある卵=卵子はどうでしょうか?

冷蔵庫の中の卵と違い、皆さんの卵子は、

  • 残りが少なくなっても、残念ながら買い足すことはできません。すなわち、他の細胞のように増殖して増えるということはありません。
  • 計画を立てて使っていくことはできません。すなわち、毎月の排卵により1個ではなく数百個の卵子が知らない間になくなっていきます。

皆さんが生まれてからの卵子の数の変化をグラフに示します。
胎児期には700万個あった卵子は、出生時には200万個に減り、月経が始まる思春期には30万個に、20歳で15万個、35歳で2万個、45歳で3000個まで減っていきます。

このように卵子の在庫は非情なまでに年齢とともに減っていくのです。

年齢と卵子の数の推移
年齢と卵子の数の推移

それでは、卵子の在庫はどうすれば分かるのでしょうか?

それを調べる検査は複数ありますが、現在、不妊治療の現場でよく使われているのが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)です。採血で分かる検査です。
実際の不妊治療において、私たちは、AMHを参考にして治療方針を決めていきます。

AMHが低い(卵子の在庫が少ない)方に対しては、不妊治療のスピードアップを提案し、テンポよく治療を進めていきます。AMHが低いことを知った患者さんはものすごく落胆されることも多いのですが、AMHが低いからと言って、決して妊娠できないということではありません。卵子の在庫が少しでも多いうちに早く積極的に妊娠の機会を作りましょうということです。卵子は決して増えることはありませんので、今ある卵子で勝負をしていきましょうということです。

AMHの値、卵子の在庫は変えることはできませんが、適切な不妊治療を進めることによって、妊娠するチャンスを逃さないように、共に前へ進みましょう!!

*昨年12月に朝日新聞に当院で不妊治療を受けられた患者さんの記事が掲載されました。その記事にもAMHのことが書かれています。不妊治療を進めるうえでとても参考になる記事かと思います。よかったらご一読くださいね。
新聞記事はこちら

院長 園田桃代