卵のグレードについて

こんにちは!培養室です。今回は受精卵(胚)がどのくらい順調に育っているかを確認するために、「ガードナー分類」という方法を紹介させていただきます。

移植する卵を選ぶうえで大切な指標ですが、グレードだけでは妊娠するかどうかは決まりません。

今回は、ガードナー分類でわかることと、わからないことについてお話しします。

そもそもガードナー分類とは?



ガードナー分類は、受精卵を5、6日程度培養し、胚盤胞まで発育した受精卵を見た目で評価する方法です。

例えば「4AA」や「3BB」といった表記を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

数字は卵成長の程度(図のBL1BL6を参照ください。)を、アルファベットは赤ちゃんになる部分(内部細胞塊)と胎盤になる部分(栄養外胚葉)の状態を表しています。

成長が早い卵、細胞の評価が高い卵がグレードの高い卵になります。一般的には、グレードが高い卵ほど妊娠する可能性も高い傾向があります。

「グレードが良い=必ず妊娠」ではありません

患者さんから、

「AAだから妊娠するということですか?」
「BBだから望みは少ないですか?」

というご質問をいただくことがあります。

実際には、グレードはあくまでも『見た目の評価』です。

見た目がとても良い卵でも着床しないことがありますし、反対に、グレードがそれほど高くない卵が着床することもあります。

見た目だけではわからないことがあります。

受精卵はとても小さな命ですが、その中には見た目ではわからない情報がたくさんあります。

例えば、染色体の状態は、ガードナー分類だけではわかりません。グレードの良い卵でも染色体に異常のある可能性がありますし、グレードの良くない卵でも染色体が正常である可能性もあります。

また、卵が育つ力や生命力をすべて見た目だけで判断することもできません。グレードが良くても凍結・融解時のストレスや時間経過で変性してしまう場合もあります。

つまり、「見た目が良いこと」は大切ですが、それだけですべてが決まるわけではないのです。

妊娠には卵以外のことも大切です。

妊娠するためには、卵だけでなく、

  • 子宮内膜の状態
  • ホルモンバランス
  • 移植するタイミング

など、さまざまな条件が重なり合います。

そのため、グレードだけに一喜一憂しなくて大丈夫です。

移植前にグレードを聞くと、不安になったり期待したりするのは、とても自然なことです。

でも、グレードは「妊娠の可能性を考えるための一つの目安」であって、結果を決めるものではありません。

実際に、低めのグレードの卵で妊娠・出産された方もたくさんいらっしゃいます。

反対に、高いグレードでも妊娠につながらないこともあります。

だからこそ、グレードだけで「良い」「悪い」と決めつける必要はありません。

最後に

ガードナー分類は、受精卵の状態を知るための大切な評価方法ですが、それだけで妊娠できるかどうかを判断することはできません。

グレードを見て不安になったり、疑問に思うことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

正しい情報を知り、安心して治療に向き合っていただけるよう、私たち培養士もサポートしていきたいと考えています。