一日も早い終息への願い ~不妊治療の現場から~

新型コロナウィルス感染症により世界中がざわめき、そして感染拡大によりたくさんの人々が健康被害や社会的被害とショックに苛まれています。
まさかこんなことになるとは、という気持ちが正直なところではないでしょうか。
最初の報道では、新型の感染症がみつかった、コロナウィルスだって、と私たちは他人事のようにすら感じていたかもしれません。
今では誰がかかっていてもおかしくない、自分もかかっているかもしれない、と全ての人が考え行動することが必要となっている段階まできています。
当院でも大切な治療を控えた方や、治療後の妊娠待ちの方、妊娠初期の方が来院されますので感染予防対策は入念に行っています。全スタッフがマスク着用と手指消毒の徹底、スタッフ同士が勤務中や、憩いの時間である休憩時間もそれぞれ距離をとって、 密閉・密集・密接の三密を避けるようにしています。
診察室は医師と患者さまの密接を避けるためデスク前を透明のビニールカーテンで間仕切りをしています。内診室の間仕切りカーテンは、羞恥心を軽減するためのものであり、近年では医師も患者もお互いの顔が見えることでコミュニケーションがとりやすく、安心できるということで撤去していたのですが止む終えず復活です。感染拡大を防ぐためにはやはり徹底してやっていく必要があります。採卵室にも透明のビニールカーテンで間仕切りをしました。
診察室・内診室・採卵室・処置室においては一人の患者さまの使用ごとに消毒を行っています。
そして、来院時の体調確認はもちろんのこと、患者さまのマスク着用は必須とし、待合室の人数制限も行っています。付き添いに関しましてもご遠慮いただいております。とにかく今は三密を避け、皆が協力することが大切です。
ご不便に感じる事もあるかもしれませんがどうかご理解の程よろしくお願いいたします。

診療に関しましては、日本生殖医学会の不妊治療に関する声明発表後、医師から一人一人の患者さまへ日本生殖医学会の声明と当院の方針、厚労省の新型コロナウィルス対策~妊婦の方々へ~についてお話させていただいています。特に女性にとって不妊治療は時間との戦いでもあります。それらをふまえ治療を受けると決めた患者さまが安心して通院できるようにサポートしていきたいと思います。
また、緊急事態宣言を受け、通院中の患者さまには緊急アンケートとして職場や働き方に変化があったかどうかについてお尋ねしています。当院の診療の参考にさせていただきたいと思っています。

免疫力を高めるには笑うことが大事とよく言われます。最近、TVをつけると以前よりお笑いの番組が増えたように思います。笑ったあとはコロナ影響による日々感じている閉そく感や、モヤモヤを吹き飛ばしてもらった感じですっきりします。やはり人間にとって笑うことは大切だなと痛感しています。他にも有名芸能人がYouTubeで自宅にいても楽しめる動画や、感染予防対策について独自の視点で動画を配信しています。人から憧れられる存在であり、日ごろからご自分の能力を披露する、人を楽しませることを仕事としている方々の、人に伝えるというメッセージ力はやはりすごいなと感心しています。
さて、では医療にかかわる私たちに何ができるのか、やはりこれ以上感染者を増やさない、感染拡大防止に努めること、患者さまの安心・安全を支えることではないでしょうか。一日でも早い終息を願い、スタッフ一同気を引き締めてまいりたいと思います。

                       2020年4月11日     
看護師 佐々木真紀