~クラミジア感染症と卵管水腫~

みなさん、こんにちは! 院長の園田です。

7月も後半に入り、ものすごい暑さと湿気にくじけそうになる毎日が続きますね。

夏が大好きな私も、さすがにこの暑さには油断するとぐったりしてしまいそうです。

最近は、外を歩くときは、周囲に人がいなければマスクを外したりするようになってきました。完全にマスクフリーになるにはまだ少し時間がかかるのかもしれませんが、少しずつ元の世界に戻っていくことと思います。

そういえば、先日、ものすごく久しぶりに歯医者さんに行きました。虫歯が3本もあり(驚きました!)、治療をしています。マスクを外し、白い歯で笑えるようにしばらく通院が続きそうです。

今回はクラミジア感染症と卵管水腫についてのお話をしたいと思います。

クラミジア感染症

以前のブログで最近、梅毒が増えていることをお伝えしましたが、
クラミジアは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis )を病原体とする、梅毒と同様に性行為で感染する病気のひとつです。

感染率は若年層で10〜15%、妊婦で5%と極めて高く、性感染症(STD)の中で最も頻度の高い疾患です。

感染するとどのような症状が出て、どのようなことが起こるのでしょうか。

男性の場合は、尿道のかゆみや違和感、排尿痛など症状が軽い場合も多く、無症状の場合もあります。

女性の場合は、無症状が多く、症状が出ても、おりものや少量の出血、軽い下腹部痛などです。

無症状であったり、症状が軽いからと言って、放置していると、気づかないうちにパートナーや、女性の場合は出産の際に子供に感染させることもあります。

また、自覚症状がなくても、おなかの中ではクラミジアによる変化が起こっている可能性があります。

以前のブログで、妊娠するには卵管の状態がいかに大事かということをお話しましたが、
クラミジアはこの卵管の状態に影響を及ぼします。

クラミジアはおなかの中で炎症を起こし、その結果、癒着という病変を作り出します。
この癒着という病変は、妊娠に重要である卵管の狭窄を起こしたり、閉塞を起こしたりします。子宮外妊娠の原因となったり、
卵管が両側とも閉塞してしまうと、自然妊娠の可能性はなくなってしまい、卵管性不妊の原因となります。
また、癒着の状態がひどくなると、卵管水腫という状態を引き起こします。

卵管水腫

正常の卵管の出口(卵管采)は、下のイラストのような形態をしており、排卵された卵子をキャッチする機能があります。

卵管水腫というのは、卵管の出口が閉塞し、卵管内に炎症性の液体が貯留した状態です。

つまり、 “みずぶくれ”の状態になっているのです。この状態になった卵管は、その機能を失ってしまっており、元の状態にもどることは、ほぼありません。

この卵管内に溜まった水腫液が子宮内に流れてくると、着床の際に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
エコー検査で、子宮内に貯留液が溜まっていることが多く(溜まっている日や溜まっていない日もあります)、妊娠に大きな影響があると判断した場合は、手術を考慮することもあります。

このように、クラミジア感染症は、不妊症と大きく関係しており、病変が進行すると卵管水腫という状態にまでなってしまうことがあります。
知らず知らずのうちに、クラミジアに感染し、何らかの不妊原因を作り出している可能性があるのです。

このため、当院では、ご夫婦ともにクラミジア検査を行い、感染が確認された場合は、ご夫婦ともに治療を行っております。(初診時の検査について

妊活の第一歩は、原因を調べることから始まります。

まずは、検査を受ける、受診する勇気をもってください。その一歩を踏み出していただければ、私たちスタッフがしっかりとサポートをしてまいります。


先日、土鍋を使い、鯛めしを作ってみました。自画自賛ですが、最高に美味しかったです!
美味しい食事を笑顔で取ること。とても大事なことですよね。
ちなみに、鯛は明石海峡で釣った鯛です!

院長 園田桃代