人工授精の妊娠率

こんにちは。培養室です。

日中はまだまだ暑いですが、朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。風邪なども流行っているようなので、皆様体調に気をつけてお過ごしください。

さて、今回は人工授精の妊娠率についてお話させていただきます。

当院では患者様の希望に加えて年齢やこれまでの治療歴、卵巣の状態などを考慮し治療方針を決定しております。そして、ご自身で一定期間タイミングを取っていただいていた方に関しては、人工授精からの治療を提案させていただくこともあります。

人工授精を行う患者様においては最初にだいたい何回くらい、という目安をお話させていただき、その回数が近づいた方に対しては精液所見の結果説明の際にステップアップのお話も出していくのですが、やはり体外受精へのステップアップとなると躊躇される方もいらっしゃいます。

こちらは当院の人工授精での妊娠率です。

人工授精の妊娠率自体はあまり高くはなく、20歳代の方でも1割弱という結果になっています。さらに、精子濃度が高ければその分妊娠率も上昇するというわけではなく、運動精子濃度が500万匹/ml以上ある方に関しては妊娠率にそれほど差はありません。

また、回数を重ねるごとに妊娠者数は増加していきますが、以下のグラフに示すように人工授精6回を超えると人工授精実施者における妊娠者数の割合(累積妊娠率)は頭打ちになる傾向があります。

つまり、人工授精6回目以降で妊娠に至った方はかなり少数ということになります。

体外受精ということになれば通院スケジュールや費用も大きく変わり、不安に思われる方も多いと思いますが、ステップアップのタイミングを決めるにあたって参考になればと思います。

体外受精に関するセミナーも毎月開催しておりますので、体外受精について不安や疑問などありましたらぜひご参加ください。