鉄分不足に気をつけよう

みなさんこんにちは

うだるような辛い暑さの夏も終わりが見え、朝晩、秋の訪れが感じられるようになりましたね。
今までは暑さのせいで食欲が減退していた方も多いのではないでしょうか?
これから涼しくなり美味しいものが続々出てくる「食欲の秋」が到来しますね(( ´∀` )
食事が楽しみな時期になりますが、ここでひとつ普段の食事で不足しがちになってしまう大切な栄養素についてご紹介したいと思います。

今回は「鉄」についてお話しします。「鉄」は5大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)の中のミネラルに属していて、体にとても大切な栄養になります。

鉄はなぜ大切なのでしょう

人が生きていくために必要不可欠であるのが酸素です。その酸素を空気中から取り込み全身に運ぶ役目をしているのが、血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンです。ヘモグロビンの材料として活躍しているのが鉄です。鉄は体内でつくることができないため、日ごろから食事や飲み物などから補う必要があります。

女性は特に要注意

健康診断や不妊治療の血液検査の時に「貧血の検査をします。」と言われることがあると思いますが、その検査こそがヘモグロビンの測定を行っています。
ヘモグロビンの値が低いと貧血と診断されます。

貧血の原因はいくつかありますが、多くは鉄分不足による鉄欠乏性貧血です。
貧血になると全身に酸素が行きわたらなくなり、顔色が悪くなり、動悸や立ちくらみ、集中力の低下などの症状が現れます。また、貧血のまま妊娠すると胎児が酸素不足のため低出生体重児になってしまう可能性があります。妊娠、出産を控える女性は貧血にならないよう注意が必要です。
鉄は体外に排出しにくいとは言われていますが、ミネラルという栄養素の一つであり、汗をかくことで、塩分などと共に排出されます。

また、女性のライフステージの中では貧血になりやすい時期がたくさんあります。
その中でも妊娠、出産に関わる時期を挙げてみます。
・月経発来 毎月の月経血により鉄が失われます。
  ⇩
・妊娠時  胎児発育のために鉄の供給量が増加します。
  ⇩   妊娠後期は妊娠前に比べ約2倍の鉄が必要になります。
・出産時  出産の出血により鉄の喪失が起こります。
  ⇩
・授乳時  母乳を介して赤ちゃんの方に鉄を含む栄養が優先して運ばれます。

今は貧血はないと言われていても、今後に備え妊活中から鉄不足にならないように意識して食生活を見直してみましょう。

鉄分の摂り方にもコツがあります

★ヘム鉄を意識して摂ろう
鉄分の含まれている食材を取り入れることが一番大切ですが、鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄と2種類あり、吸収力が違います。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べ約5倍の吸収力です。

ヘム鉄が多く含まれているもの:
 牛肉赤身 レバー かつお マグロ いわしなど

 

★ビタミンCで吸収力アップ
ビタミンCは鉄を吸収しやすい形にします。特に非ヘム鉄を摂る時には一緒に摂取すると効果的です。
 ピーマン ブロッコリー パプリカ 果物など

★たんぱく質をしっかり摂ろう
たんぱく質もヘモグロビンの材料になります。
 卵、豆腐、豆類、肉、魚、甲殻類、イカなど

★調理法を工夫しよう
鉄は水溶性です。ゆでると煮汁に溶け出してしまいます。
煮汁も一緒に摂れるようなスープやみそ汁などのおかずが理想です。

★タンニンに要注意
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害してしまいます。食前食後は控えましょう。食事中の水分補給はタンニンを含まないものがオススメです。例えば麦茶などがいいでしょう。

栄養補給は毎日の食事から摂取するのが理想ですが、苦手な食材がある方や日々の食事の時に意識して鉄を摂ることが難しい方には、サプリメントなどで取り入れるといいでしょう。
食事と併用することでさらに効果が上がるのではないかと思います。
食材購入時や料理の時にこの話を思い出し、活用して頂ければ嬉しいです。