スプリット法について

こんにちは。培養室です。

今回はsplit(スプリット)法について説明します。

まず、受精方法には大きく分けて、
卵子に精子をふりかけて受精させる一般体外受精(媒精)法と、
顕微鏡下で精子を卵子に直接注入する顕微授精法の2種類あります。
≫体外受精について

どちらの受精方法にするかは、
採卵当日にお持ちいただいた精子の処理・調整をおこなった後の運動精子濃度から決定されます。

運動精子濃度が1000万/ml以上の場合、一般体外受精法となり、
500万/ml未満の場合、顕微授精法となります。

一般的に、一般体外受精法の方が胚盤胞到達率や妊娠率が高いとされています。

しかし、精子に問題がなくても、受精卵が1つも得られないことがあります。
これを受精障害といい、精子が卵子の中に入れないことが原因の1つとされています。

また、受精障害は事前に判断することが難しく、
実際に体外で受精させてみて、その結果、受精しているかどうかで受精障害の判断をすることになります。

とは言っても…

卵巣刺激や採卵を終え、やっと取れた卵子が1つも受精していない…

また卵巣刺激から…

それは避けたいですよね…

そこで登場するのが、スプリット法です。

スプリット法は取れた卵子を半々に分けて、
片方を一般体外受精法、もう片方を顕微授精法で受精させる方法です。
こうすることで、受精卵が1つもない!という事態を回避出来る可能性が高くなります。

当院では、主に採卵初回の方を対象に実施しています。

注意点としては、

受精障害は、一般体外受精法で起こりやすい(約5〜10%)とされていますが、
顕微授精法でも起こる可能性はあります。

また、採卵初回であっても、
精子の処理・調整をおこなった後の運動精子濃度が500万/ml以下の場合、顕微授精法となります。

受精方法や、その他、卵子や精子について、
何かわからないこと、聞きたいことがあれば、
培養士外来もやっていますので、是非ご活用くださいね。