ZyMot(膜構造を用いた生理学的精子選択術)が先進医療に追加されました

こんにちは、培養室です。

先月の4月から、ZyMot(ザイモート)スパームセパレータという精子選別を行う装置の使用が、先進医療に追加され、保険の治療でも使用できるようになりました。

先進医療とは、自費の治療法のうち、保険診療と併用が可能な治療のことです。
≫先進医療について

このΖyΜotという装置は、特殊なフィルターによって良好な精子を選別します。

遠心分離で精子を選別する従来の方法に比べて、
精子への物理的なダメージを抑えることが出来ると言われています。

(精子への物理的なダメージは、精子の中のDNAの損傷に影響し、
胚の発育不良や流産の原因の一つとなってしまいます)

ZyMot(ザイモート)については、以前もブログで紹介をさせていただきましたので、
詳細はこちらをご覧ください。

≫良好な受精卵を得るために ~精子の質へアプローチ~

では、実際の効果についてですが、
当院で、受精卵の発育が不良だったために胚移植が中止となってしまった方のうち、

ZyMotを使用された方の培養成績を、
従来の精子処理法を使用した方と比較したところ、

ZyMotを使用した場合に培養成績が改善していることがわかりました。

この結果について、昨年の学会でも報告しており、
女性の年齢や男性側の精子濃度との関連も調べています。
「ZyMotスパームセパレーター法による精子調整を行った胚発育不良症例における培養成績の検討」

ZyMotを先進医療として保険の治療と併用する場合、
対象となる方は、
複数回にわたって胚移植をしたにも関わらず、残念ながら妊娠に至らなかった方となります。

上記のような経過の方には、ZyMotをご提案させて頂くことがあるかと思います。
その際は、本ブログの記事の内容も参考にしていただけたらと思います。

その他、ZyMotのことや保険診療のことなどで気になることがございましたら、お気軽にスタッフにご相談くださいね。

また、保険適用に関するセミナーも開催しております。
通院中でない方もご参加頂けますので、お気軽にご参加くださいね。